韓 丘庸





翻訳家(translator)を目指す 
           ―<韓風TAMOA>のことなど―

 最近、翻訳家の養成がちょっとしたブームになっているが、古くは ’71年の「国際合資(株)」を始め、今のNovaや、Betrize、Adept School等々と、無数の営利事業体が受講生獲得のため奔走しており、殊に厚生労働省の「教育講座給付金制度」の講座はまさに人気上昇中である。
 こうした中で全国的には、朝鮮・韓国語の翻訳の拡大が目立ってきた。例えば、大阪で、1ヶ月6回講座で24~35万円の受講料を取られる個人レッスン式か、少数制のところがあると思えば、’79年来実績を上げている「日本翻訳家養成センター」の<Translator Training Course>(翻訳家養成講座)のように、年間講座やエージェントを中間に介した息の長いものまである。
 その一方では「冬ソナ」の<韓流>陶酔に乗じて語学熱を煽り、恰も明日にでも簡単に<韓国語習得>が可能で、同時に翻訳家になれるものと錯覚させられる過大宣伝もないではない。
 私が担当した大阪外大や、松山大、同志社大などでの朝鮮語講座を受けた者が社会に出、資格を取得して本格的に翻訳や通訳業を目指し活躍している姿を見ると、とても眩しくまた新鮮に感じられ、私自身までが我がことのように胸を張って威張りたい気持ちになる。
 彼らが差し出す名刺には、「日本翻訳協会第○○号登録」と紹介されているものもあれば、単に自称キャリアの「翻訳・通訳業」という肩書きをつけている者までさまざまである。
登録者としても、月1回以上のガイド通訳の仕事が回ってくる者もあれば、1年経っても一度もお声がかからない通訳者もあり、ボランティア活動で終っていると嘆いている者もいた。しかし、いずれにしろ資格登録を確実にすることは一つの「お墨付き」にもなり、次に声のかかる素地になることは間違いない。
 大阪府吹田市に拠点を置く<太郎次郎グループ>は、地域社会で国際化を育むことをキャッチフレーズに多言語・多文化Communicationを目指し、エージェントによって英・韓・中・独・仏・西と器用に振り分けている。
 また、京都市伏見区に事務所兼店舗を構える<韓風TAMOA>は、翻訳通訳ガイドは勿論のこと、韓国留学の日本窓口、韓国伝統楽器や映画ドラマの紹介・受注、TAMOA韓国語教室、マダン劇出向など多様化した「商品」で顧客ニーズに応えようとしている。それは営利事業とはいえ、ニュービジネスライフを進める上でも、サービスをモットーにしている点でも好感が持てるといえるのではないか。因みにTAMOA(다모아)とは「みんな集まって」の意味である。



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